目次:風邪薬「ストナ」シリーズ【成分・効果】

■風邪薬の成分とは?
解熱鎮痛成分
鎮咳去痰成分
抗鼻汁成分
その他の成分
■ストナシリーズ各商品の成分・効果
ストナアイビージェル
ストナアイビー
ストナデイタイム
ストナ葛根湯2
ストナジェルサイナスS
ストナプラスジェル2
ストナプラス2
ストナプラス2顆粒
ストナ三層
ストナ去痰カプセル
ストナ漢方かぜフルー
■ストナシリーズ子供用の成分・効果
ストナメルティ小児用
学童ストナ
ストナシロップA小児用
ストナシロップA「小児用」
■まとめ
■参考文献
まずは、風邪薬の成分について解説いたします。
今まさに調子が悪いという方も、今は健康そのものという方も知識として知っておくとよいでしょう。
ストナシリーズの成分・効果について早く知りたい、という方は【ストナシリーズ各商品の成分・効果】からご覧下さい。

風邪薬の成分とは?

この記事のテーマである「ストナ」シリーズを含めて言えることですが、現在市販されている風邪薬は、複数の成分を混ぜ合わせたものが主流です。

その組み合わせによって、各製品の特徴が決まります。組み合わせパターンは様々ですが、ある程度共通して見られる組み合わせパターンと言うものがあります。
具体的には、解熱鎮痛成分+鎮咳去痰成分+抗鼻汁成分+その他の成分です。
なぜこのような配合パターンが用いられるかと言えば、すでに察しがついている方もいるでしょうが、風邪の時こうした症状が起こるからに他なりません。それぞれの成分について、以下で簡単に解説していきます。

解熱鎮痛成分

■主な成分:アセトアミノフェン、エテンザミド、イブプロフェン

その名の通り、風邪の代表的な症状である熱や痛みを沈める成分です。同時に、この成分がそのまま風邪薬の特徴を決定することもあるほど、重要な成分でもあります。

市販薬の成分としては、上記のうち特に、アセトアミノフェンとイブプロフェンがよく使用されます。しかし、これらの身体に対する働き方はかなり異なっています。具体的には、次の通りです(1)。

アセトアミノフェン

●解熱作用:脳のなかで体温を調整している部位である視床下部に作用して、体の「設定体温」を低下させる。
●鎮痛作用:同じく、脳の中で痛みを感じる部位の働きを鈍らせることで、痛みを自覚しにくくする。

イブプロフェン

非ステロイド系抗炎症薬 (NSAIDs) と呼ばれるグループに属する薬。熱や炎症を起こす物質である「プロスタグランジン (PGs)」が体内で作られる過程をブロックする。結果的に、痛みや発熱が抑制される。

アセトアミノフェンとイブプロフェンの違い

実際に、購入する薬を決めるにあたっては、この両者の効果や安全性がどの程度異なるのか気になることでしょう。そこで、この疑問に関するエビデンスを調査しました。

まず、安全性面に関しては、結論を言えば両者に大きな差はないと考えてよいでしょう。批判的吟味した3つの臨床研究では、いずれも両薬剤の副作用頻度などに明らかな差は認められませんでした(2~4)。

共通する副作用としては、下痢・吐き気・腹痛など胃腸に関連するもの、発疹など皮膚に関するものがあります。また、喘息持ちの方の中には、これらの成分で発作を起こす可能性があるので、購入の際に薬剤師に相談するようにしてください。

一方で、効果に関しても大きな差はないと考えられています。ただし、痛みや発熱に対して、イブプロフェンの効果が高いという報告も一部あります(3)。ただし、イブプロフェンは妊娠している方 (特に妊娠後期) や特定の薬を服用している人には使用できない制約もあります。

こうしたことを総合すれば、両者は一長一短で、どちらが優れているとは一概に言えないという結論になるでしょう。一緒に配合されている他の成分を参考に選択すればよいと思います。

鎮咳去痰成分

■主な成分

●鎮咳成分:ジヒドロコデイン、dl-メチルエフェドリン、デキストロメトルファン、ノスカピン
●去痰成分:グアヤコール、L-カルボシステイン、ブロムヘキシン

「鎮咳」は「咳止め」、「去痰」は「たんきり」のことを意味します。いずれものどに関する症状を和らげる効果のある成分です。

鎮咳成分

鎮咳成分は、その働きによってさらに2つに分類できます。1つ目は、脳の中で咳の発生に関与する部位の働きを抑えるタイプです。上記のうちジヒドロコデイン・デキストロメトルファン・ノスカピンが該当します。

もう1つは、空気の通り道である気管支を広げることで、呼吸を楽にするタイプです。これにはdl-メチルエフェドリンが該当します。

このうち、気管支を広げるタイプは、直接的に咳を鎮める効果はないので、他の成分にプラスアルファで配合されることが多いものです。したがって、購入の際には他の成分のうちどれが入っているかをチェックするのがよいでしょう。

咳を鎮める効果は、一般的に、ジヒドロコデイン>デキストロメトルファン>ノスカピンの順と考えられていますが(1)、ジヒドロコデインとデキストロメトルファンにはあまり差がないことを示唆する報告もあるので(4)、そこまでこだわる必要はないかもしれません。

鎮咳成分に共通する副作用には、便秘や眠気などが挙げられます。これは、ジヒドロコデインで比較的多いとされるので、便秘がちの方は、これ以外の成分の方が適していると言えるでしょう。

去痰成分

去痰成分は、「たん」の粘り気を減らして、排泄しやすくする効果があります。特に「ゴホゴホ」という、痰の絡んだ咳がある場合に効果的と考えられます。反対に「コンコン」という乾いた咳の場合には、そこまで必要性のない成分です。

抗鼻汁成分

■主な成分

●抗ヒスタミン剤:クロルフェニラミン、ジフェニルピラリン、トリプロリジン
●抗コリン剤:ベラドンナ総アルカロイド、ヨウ化イソプロパミド

抗鼻汁成分は私の造語ですが、読んで字のごとく「鼻水を止める成分」です。体内での働きによって、上に記した2つのグループに分けられます。

抗ヒスタミン剤と抗コリン剤の違い

「ヒスタミン」と「コリン (=アセチルコリン)」は、いずれも鼻水などの分泌を促す物質です。したがって、これらの働きを抑える成分が、それぞれ鼻水を止める効果を持ちます。

これら2つの成分グループで大きく異なるのは、副作用です。特に、抗ヒスタミン剤は眠気を起こす成分として知られています。一方、抗コリン剤の方は、瞳孔を開く作用があるため、服用すると一時的に光をまぶしく感じるようになります。

また、どちらのグループも緑内障や前立腺肥大などがある方は服用できない場合があります(6.7)。こうした注意点が多い成分ですので、特に持病のある方は購入の際に、薬剤師によく確認するようにしてください。

その他の成分

風邪薬に含まれるその他の成分として、頭痛を抑えるカフェイン、ビタミンCなどのビタミン類、葛根湯など漢方成分などがあります。

ストナシリーズ各商品の成分・効果(参考8)

ここからは、風邪薬「ストナ」シリーズ各商品の成分・効果について解説いたします。
風邪薬購入の際の参考にしてみてください。

ストナアイビージェル

●解熱成分:イブプロフェン
●鎮咳去痰成分:ジヒドロコデイン、dl-メチルエフェドリン
●抗鼻汁成分:クロルフェニラミン
●その他成分:無水カフェイン

スタンダードな配合内容です。他の製品の比較対象にするとよいでしょう。

ストナアイビー

●解熱成分:イブプロフェン
●鎮咳去痰成分:ジヒドロコデイン、グアヤコール
●抗鼻汁成分:ジフェニルピラリン
●その他成分:無水カフェイン

「アイビージェル」と比較すると、痰切り成分であるグアヤコールが含まれている点で異なります。痰がからむ場合はこちらの方がおススメです。

ストナデイタイム

●解熱成分:アセトアミノフェン、エテンザミド
●鎮咳去痰成分:ジヒドロコデイン、グアヤコール
●抗鼻汁成分:小青竜湯乾燥エキス
●その他成分:無水カフェイン

眠くなりやすい抗ヒスタミン剤に替えて、漢方の鼻水止めとして有名な小青竜湯を配合した製品です。眠くなるのが困るという方におススメです。

ストナ葛根湯2

●その他成分:葛根湯濃縮液

中身は、要するに葛根湯です。風邪のひき始めに特に有効とされています。筋肉のコリをとる作用もあるので、肩こりなどにも有効です。

ストナジェルサイナスS

●解熱成分:アセトアミノフェン
●鎮咳去痰成分:ジヒドロコデイン、dl-メチルエフェドリン、ノスカピン
●抗鼻汁成分:ジフェニルピラリン、ベラドンナ総アルカロイド
●その他成分:無水カフェイン

咳止め成分と鼻水止めの成分の配合種類を増やした製品。特に鼻水に対する効果が期待できますが、成分の種類が多い分副作用には注意が必要です。

ストナプラスジェル2

●解熱成分:アセトアミノフェン
●鎮咳去痰成分:L-カルボシステイン、ブロムヘキシン、ジヒドロコデイン、dl-メチルエフェドリン
●抗鼻汁成分:ジフェニルピラリン
●その他成分:無水カフェイン

他のストナシリーズとは異なり、痰切り成分がメインの製品です。痰が絡んだ咳が出る場合や、鼻水の粘り気が強い場合におススメです。

ストナプラス2

●解熱成分:アセトアミノフェン、エテンザミド
●鎮咳去痰成分:ジヒドロコデイン、ノスカピン、dl-メチルエフェドリン、甘草エキス末、車前草乾燥エキス
●抗鼻汁成分:ジフェニルピラリン
●その他成分:ビタミンC、無水カフェイン

鎮咳去痰成分として、甘草・車前草という2種類の生薬成分を配合したのが特徴です。咳止めも3種類配合されており、咳や痰が気になる場合に適した製品です。

ストナプラス2顆粒

●解熱成分:アセトアミノフェン、エテンザミド
●鎮咳去痰成分:ジヒドロコデイン、ノスカピン、dl-メチルエフェドリン、甘草エキス末、車前草乾燥エキス
●抗鼻汁成分:ジフェニルピラリン
●その他成分:ビタミンC、無水カフェイン

内容は、ストナプラス2と全く同じです。この製品の特徴は、顆粒剤であること、1歳から服用できることです。したがって「自分用に購入して、余った分は子供が風邪をひいたときに使おう」ということも可能です。

ストナ三層

●解熱成分:アセトアミノフェン
●鎮咳去痰成分:デキストロメトルファン、桜皮エキス、dl-メチルエフェドリン
●抗鼻汁成分:クロルフェニラミン
●その他成分:ノイシリン、無水カフェイン

鎮咳去痰成分に、桜皮エキスを配合したのが特徴です。病院などで黒色の咳止めシロップをもらったことがある方がいらっしゃるかもしれませんが、咳止め成分はそれに近い内容になっています(9)したがって、あのシロップが気に入っている方には良いかもしれません。その他、胃の粘膜を守るノイシリンが入っており、胃が弱い方にもおススメです。

ストナ去痰カプセル

●鎮咳去痰成分:L-カルボシステイン、ブロムヘキシン

去痰成分のみの製品です。「熱も鼻水もないけど、のどが痛い」というケースに適しています。眠気などの副作用の心配もありません。

ストナ漢方かぜフルー

その他成分:竹茹温胆湯エキス

漢方薬の「竹茹温胆湯 (ちくじょうんたんとう)」を顆粒にした製品です。熱が長引いたり、平熱になっても気分がさっぱりしない場合に効果的な成分です。

ストナシリーズ子供用の成分・効果(参考8)

ストナメルティ小児用

●解熱成分:アセトアミノフェン
●鎮咳去痰成分:ノスカピン、dl-メチルエフェドリン
●抗鼻汁成分:クロルフェニラミン
●備考:5歳から。イチゴ味

成分としては、オーソドックスな風邪薬となっています。口の中で溶けるチュアブル錠なので、錠剤が苦手なお子さんでも飲みやすくなっています。

学童ストナ

●解熱成分:アセトアミノフェン
●鎮咳去痰成分:デキストロメトルファン、dl-メチルエフェドリン、セネガ乾燥エキス
●抗鼻汁成分:トリプロリジン
●備考:7歳から

セネガエキスが配合された小中学生向け風邪薬。

ストナシロップA小児用

●解熱成分:アセトアミノフェン
●鎮咳去痰成分:ジヒドロコデイン、グアイフェネシン
●抗鼻汁成分:ジフェニルピラリン
●その他成分:ビタミンB1、ビタミンB2、麻黄湯エキス
●備考:3カ月から。イチゴ味

麻黄湯という漢方成分を配合した製品です。よく聞く「葛根湯」と似た効き目ですが、効果の出現がより早いとされています。シロップなので、小さなお子さんも飲みやすくなっています。

ストナシロップA「小児用」

●解熱成分:アセトアミノフェン
●鎮咳去痰成分:ジヒドロコデイン、グアイフェネシン
●抗鼻汁成分:クロルフェニラミン
●その他成分:麻黄湯エキス
●備考:チョコ味

細かい部分の違いはありますが、上記「ストナシロップA小児用」とほとんど同じ内容です。大きな違いは味で、こちらはチョコ味だということ。好みで選択すればよいでしょう。

まとめ

■風邪薬に含まれる解熱鎮痛成分としてはアセトアミノフェンとイブプロフェンが代表的である
■風邪薬に含まれる鎮咳成分としては、ジヒドロコデインとデキストロメトルファンが代表的である
■鼻水止めの成分は、副作用が比較的多いので注意が必要である
■風邪薬購入のときには、以上の点を踏まえて必要な成分を含んだ製品を選択するとよい

参考文献

(1)赤池昭紀 他 疾患別薬理学第4版 廣川書店
(2)Southey ER, et al. Systematic review and meta-analysis of the clinical safety and tolerability of ibuprofen compared with paracetamol in paediatric pain and fever. Curr Med Res Opin. 2009 Sep;25(9):2207-22. PMID: 19606950
(3)Pierce CA, et al. Efficacy and safety of ibuprofen and acetaminophen in children and adults: a meta-analysis and qualitative review. Ann Pharmacother. 2010 Mar;44(3):489-506. PMID: 20150507
(4)Little P, et al. Ibuprofen, paracetamol, and steam for patients with respiratory tract infections in primary care: pragmatic randomised factorial trial. BMJ. 2013 Oct 25;347:f6041. PMID: 24162940
(5)Yancy WS Jr, et al. Efficacy and tolerability of treatments for chronic cough: a systematic review and meta-analysis. Chest. 2013 Dec;144(6):1827-38. PMID: 23928798
(6)ポララミン散1%/ ポララミン錠2mg 添付文書 高田製薬株式会社
(7)硫酸アトロピン「ホエイ」 添付文書 マイラン製薬株式会社
(8)佐藤製薬 ストナシリーズホームページ http://www.stona.jp/ 2016.6.20 access.
(9)濃厚ブロチンコデイン配合シロップ 添付文書 第一三共株式会社