目次:保湿剤ヒルドイドの安全性

■ヒルドイドとは?
・[参考]ヒルドイドの効能・効果
■ヒルドイドの種類
・軟膏
・クリーム
・ローション
・スプレー
・ゲル
■ヒルドイドの注意点
・ヒルドイドの安全性と副作用
・(参考)ヒルドイドの副作用
・ヒルドイドの使用に注意が必要
■ヒルドイドのジェネリック医薬品
・(参考)薬価の違い 2017.2時点
■ヒルドイドの成分であるヘパリン類似物質を含む市販薬
・ローションタイプ
・ジェル・ゲルタイプ
・クリームタイプ
■保湿剤ヒルドイドについてよくある質問
・生後間もない赤ちゃんに処方されましたが、使用しても大丈夫ですか?
・子どもがヒルドイドを口の中にいれてしまいました。大丈夫ですか?
・妊娠中、授乳中は使用できる?
・病院や薬局でヒルドイドを頼めばもらえるの?
・ヒルドイドは高級化粧品並みの効果?
・ヒルドイドの使用期限は?
■おわりに

ヒルドイドとは?

ヒルドイドの成分は、「ヘパリン類似物質」です。

ヘパリン類似物質とは、もともとヒトの体内に備わっている「ヘパリン」という物質と似た作用を持っている成分です。ヘパリン類似物質には主に2つの作用があります。

1. 皮膚の乾燥を防ぎ、保湿効果を高める作用
2. 血行をよくする作用

このような作用があるため、皮膚の乾燥や、しもやけ、角皮症などの症状でよく処方されます。また、血液が固まるのを防いだり、鬱血の改善、傷の治りをよくする作用もありますので、捻挫、血栓性静脈炎、痔核などの治療にも使用されることもあります。一般の方にとっては、保湿剤のイメージが強いので、関節痛や捻挫などでヒルドイドが処方されると驚かれる方も多いですね。
通常は、1日1~数回適量を患部に塗布して利用します。

ヒルドイドは、市販では購入できないので医療機関を受診し、症状に応じて処方してもらう必要があります。ただ、ヒルドイドの成分である「ヘパリン類似物質」と同じ成分を含む市販薬は何種類か販売されていますので、薬局・ドラッグストアなどで購入することが可能です。

[参考]ヒルドイドの効能・効果

※添付文書抜粋
皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患(注射後の硬結並びに疼痛)、血栓性静脈炎(痔核を含む)、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎、筋性斜頸(乳児期)

ヒルドイドの種類

ヒルドイドには、主に軟膏・クリーム・ローションの3つのタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。

軟膏

油分に薬の成分が含まれており。皮膚を保護する作用が強く、保湿性に優れている反面、べたつき感があります。通常、処方されるヒルドイドの剤型はこちらが多いです。

クリーム

水と油を混ぜ合わせて作った乳剤性基剤です。伸びが良く、軟膏ほどはべたつきがありません。又、皮膚への浸透性が高い反面、刺激性があります。

ローション

水溶性外用剤で、クリームよりも更に使用感がさわやかでべたつきがありません。即効性はありますが、持続力がありません。小さなお子さんの場合や、毛が生えている頭部などの部位に対してよく使用されます。

スプレー

ヒルドイドのジェネリック医薬品の中には、スプレータイプのものがあります。中身はローションになりますが、プッシュすることで塗布ができ、より便利になっています。ただ、お薬の値段が高いというデメリットがあります。

ゲル

ヒルドイドには実はゲルタイプ[ヒルドイドゲル0.3%]もあるのですが、通常、保湿ではなく、打撲、捻挫、腫れ、腱鞘炎、筋肉痛、関節炎などの治療に用いられます。

ヒルドイドの注意点

ヒルドイドの安全性と副作用

もともとヒトの体内に備わっている成分と類似しているため、安全性が高く、赤ちゃんやご高齢の方、肌が弱い方でも問題なく安心して利用することができます。

ただ、稀に下記のような副作用が起こることがあります。
・赤み、かゆみ、発疹

肌に合わないなど、体質などにもよりますので、もし上記のような症状や、いつもと違うような症状が出た場合は、軽視せずに使用を中止して、主治医又は薬剤師に相談しましょう。

(参考)ヒルドイドの副作用 ※添付文書抜粋

[ヒルドイドソフト軟膏0.3%]
 総投与症例119例中、本剤による副作用は認められなかった。(承認時)
[ヒルドイドローション0.3%]
 総投与症例121例中、本剤による副作用は認められなかった(承認時)
[ヒルドイドクリーム0.3%]
 総投与症例2471例中、23例(0.93%)に副作用が認められ、主なものは皮膚炎9件(0.36%)、そう痒8件(0.32%)、発赤5件(0.20%)、発疹4件(0.16%)、潮紅3件(0.12%)等であった。(効能追加時)

ヒルドイドの使用に注意が必要

ヒルドイドの成分であるヘパリン類似物質には血液凝固抑制作用があるため、下記に該当される方の使用には注意が必要です(※添付文書参照)

・出血性血液疾患(血友病、血小板減少症、紫斑病等)のある方
・僅少な出血でも重大な結果を来すことが予想される方

又、潰瘍、びらん面など、怪我などでただれている皮膚部分には塗らないようにしましょう。
顔部分に塗るのは問題ありませんが、眼には使用しないようにしましょう。

ヒルドイドのジェネリック医薬品

ヒルドイドと同じように、医療機関で処方してもらえる「ヘパリン類似物質」を含むお薬には、ヒルドイドのジェネリック医薬品があります。
・ビーソフテン
・エアリート
・セレロイズ
・ヘパリン類似物質+剤型名(クリーム、ローションなど)+メーカー名(日医工、YD、ニプロなど)

ジェネリック医薬品を希望される場合には、主治医や薬剤師にその旨を伝えるようにしましょう。

※ジェネリック医薬品とは・・・
先発品(新薬)の特許がきれたあと、他のメーカーが先発品(新薬)と同じ有効成分で効能・効果が原則同じで販売できます。開発コストを抑えて発売するため、先発品(新薬)より安くなります。

(参考)薬価の違い 2017.2時点

・ヒルドイドソフト軟膏0.3% 23.7円/g
 →ジェネリック医薬品では、6.3円〜9円/g
・ヒルドイドローション0.3% 23.7円/g
 →ジェネリック医薬品では、6.3円〜9円/g
・ヒルドイドクリーム0.3% 23.7円/g
 →ジェネリック医薬品では、6.3円〜9円/g
・ヒルドイドゲル0.3% 13.6円/g
 →ジェネリック医薬品では、6.4円

量が多いほど、価格に差が出てきます。経済的には、ジェネリック医薬品に変更したほうが良いでしょう。

ヒルドイドの成分であるヘパリン類似物質を含む市販薬

ヒルドイドの成分と同じヘパリン類似物質を含む市販薬は多くの種類が販売されています。クリームタイプ、ローションタイプ、ジェル(ゲル)タイプなどがあり、お薬によって含まれている量や価格に違いがあります。

下記に一例を紹介します。他にも、ヘパリン類似物質を含む市販薬には多くの種類がありますので、店頭にて症状を伝え、薬剤師、又は登録販売者に相談するようにしましょう。

ローションタイプ

・HPローション / ノバルティス
・ピアソンHPローション / 新新薬品工業
・マーカムHPローション / 日医工ファーマ
など

ジェル・ゲルタイプ

・アットノンジェル / 小林製薬
・エルモディアHPゲル / マエダ薬品商事
など

クリームタイプ

・HPクリーム / ノバルティス
・アットノンクリーム / 小林製薬
・ピアソンHPクリーム / 新新薬品工業
・ネクストクリーム / 森下仁丹
など

保湿剤ヒルドイドについてよくある質問

生後間もない赤ちゃんに処方されましたが、使用しても大丈夫ですか?

ヒルドイドは、保湿効果が高く、安全性が高いため、生後間もない赤ちゃんにも保湿剤としてよく処方されます。医師の指示を守って、お使いいただく分には問題ございません。

子どもがヒルドイドを口の中にいれてしまいました。大丈夫ですか?

お子さんが誤飲してしまった場合には、次の3つのことを確認しましょう。
・いつ誤飲してしまったか?
・口の中に入れて飲んでしまった量
・現在のお子さんの状態

もともと安全性が高いお薬ですので、少量であればほとんど問題はありません。しかし、大量に口に入れてしまった場合や、現在の体調に少しでも異変がある場合は、医師や薬剤師にすぐに連絡をし、指示を仰ぐようにしましょう。

妊娠中、授乳中は使用できる?

授乳中の使用に関しては、特に決まりはないため、使用しても問題ありません。
一方、妊娠中の使用に関しては、安全性が確立していないため、主治医と相談して使用するかどうかを決めるようにしましょう。

病院や薬局でヒルドイドを頼めばもらえるの?

まずは薬局についてですが、基本的にヒルドイドは、医師の診断により発行される処方せんが必要となります。そのため、通常は、薬局でヒルドイドが欲しいといってももらえません。
病院においては、皮膚科などでヒルドイドが欲しいという相談はできますが、お薬が処方されるかどうかは、症状と医師の判断によります。そのため、ヒルドイドが処方されるかどうかは分かりません。
そのため、どうしてもヒルドイドが欲しい場合は、市販薬で、ヘパリン類似物質を成分とするお薬を購入するのが早いので、ぜひ、試してみてください。

ヒルドイドは高級化粧品並みの効果?

ネットでヒルドイドを検索すると、ヒルドイドがまるで高級化粧品、ニキビやしみ、何でも効く化粧水のように過剰に評価した記事をみかけます。たしかに皮膚の乾燥を防いで、高い保湿効果を期待できるお薬です。しかし、それらは個人の感想によるものなので、安易にそのような過剰に評価している記事を信じるのは早計です。ヒルドイドは安全性が高いといっても、お薬ですので、取り扱いには注意が必要です。
病院で頼むのではなく、まずは市販でヘパリン類似物質を含むお薬を自身で購入して試してみるのがよいでしょう。

ヒルドイドの使用期限は?

一度開封したものは、速やかに使い切るのが基本です。開封したもので古いものは破棄するようにしましょう。

また、保存状態が良い場合の使用期限は次のようになっています。
ヒルドイドクリーム0.3%、ヒルドイドソフト軟膏0.3%
→使用期限:3年6ヶ月
ヒルドイドローション0.3%
→使用期限:3年

期限が気になる場合には、薬局で受け取る際に確認するようにしましょう。
また、未使用時には必ず容器のキャップをしっかりとし、製剤中の水分の蒸発を防ぎましょう。

おわりに

ヒルドイドは、医療用医薬品であり、購入するためには医師による処方せんが必要です。又、市販薬でもヒルドイドと同じヘパリン類似物質を含むお薬は販売されていますので、ご利用の際は、薬局・ドラッグストアで薬剤師にご相談下さい。